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キアゲハ [日々のキルト]

 この前のブログに入れた身元不詳のアオムシ君が,17日に蛹化の準備を始め(完全に蛹の状態になったのは20日)、今日しっかりと一人前のキアゲハに羽化して旅だちを果たしました。茎に固着してから13日、完全な蛹になってからは10日目になります。なにしろ庭のプランターの中でのこと、蛹の期間に、私も3日間旅行で不在にしたり、天気も不順で暑かったり、寒かったり、雨続きだったりして気を遣ったのですが、やっと無事に旅立ったわけです。

 今朝7時頃、プランターをのぞいたら、蛹がややうす茶色になっているし、普通羽化まで1週間から10日と聞いたので、もしや中で死んでしまったかと心配でした。その上、今日は大きな低気圧がきていて、雷雨、突風などにおそわれるとのことで、はじめて雨の当たらないひさしの下に入れて様子を見ることにしました。

 そして、8時半頃だったか、通りかかりにふとのぞいて見ると、なんとキアゲハの美しい模様そのまま、蝶が一匹羽を広げているではありませんか!プランターのイタリアンパセリの茎にです。多分8時頃に羽化して羽を乾かしていたのでしょうね。

 ところがその後雷鳴も近づき、ここで飛びたってはどうなるかという親心で、さらに家の中へとプランターごと取り入れて、再び翅をたたんでしまった蝶を、はらはら見つめるばかりの時間…、彼はほとんど動きません。そのうち午後になって、そばに置いた紫のセージの花によじのぼったり、たたんだ羽を開いたりして見せてくれました。その頃やっと雷鳴が遠ざかり、雨も一時上がったので、「今だ!」とばかりプランターを戸外に出すと、彼(彼女)はいともかろやかに曇天の空高くのぼり、西北の方向へと飛び去りました。

 今また雨音がし始め、キアゲハ君の前途は多難だなあ…、せめて梅雨明けに羽化すればよかったのになあ…と今後の運命を思いわずらっている私です。それにしてもこれも個体にインプットされた運というべきでしょうか。うまく雨を避けて、花の蜜を見つけて、相性のいいどなたかに出会いますよう…と願うのみ。(本音は、「ああ、ホッとした!」というところです。)

 そういえば、アオムシ君が17日に蛹になるべくうろうろと場所探しを始めたその時、それから(羽化の瞬間は見逃しましたが)、羽化後飛翔にいたるまでのじりじりした時間、そしてあっけない旅立ちの瞬間、それぞれ大事な節目ごとに、偶然その場に居合わせる結果になったことは、ラッキーでした。飛翔前の静止タイム約6時間、その美しい模様、形態を上から横から、子細に観察させてくれたのですから。

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