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五月の贈りもの [日々のキルト]

 もうノカンゾウの季節が巡ってきた。オレンジ色の花がいまバルコニーで満開だ。満開といっても一日花なので、夕方にはしおれ、翌日は次の花が咲く。数えてみたら今日は28輪。日の光がさすといっそう美しく、うっとりする。夕日の時にも。わすれ草といわれるだけあって、この花を見ていると憂さを忘れるというけれど、それはほんとうかもしれない。
 
 明日から富山へ荒川みや子さんと旅をする。ペッパーランドの創刊同人だった前田ちよ子さんと10数年ぶりに三人で会えるのが楽しみだ。なんとなく胸のなかがざわざわ…。荒川みや子さんの故郷である滑川にも寄れるかも。彼女の詩集「森の領分」を吹き渡っている、すがすがしい大気に触れることができるかもしれない。私はあの詩集が好きだ。あの詩集で荒川みや子という詩人に出会ったのだ。

 すがすがしい大気…といえば、つい先日、元町の魔女とハーブのお店《グリーンサム》のオーナーである飯島都陽子さんのお宅での楽しい飲み会に参加させてただいた。なんだか時のはざまにふと現れた爽やかな詩の一篇のような時間だった。「魔女の贈りもの」という名のショウチュウもおいしく、それ以上に美味なのは会話の味。飯島ご夫妻と愉しいそのお仲間たちに乾杯。五月のくれた思いがけない贈り物のような一夕だった。
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