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キリンの星 [詩作品]

ちょっとした買い物で横浜橋商店街まで夕方出かけたら、偶然お三の宮の大祭の日。
次々と御神輿が出てにぎやかだった。目の前でわっしょい、わっしょいやるのを、身をよ
けるようにして眺めるのは久しぶり。景気がよくて楽しい。今日は十五夜だ。ついでに
花屋さんでススキや吾亦紅やとリンドウなどを買ってきて、きぬかつぎ、枝豆、ゴマ豆
腐などならべ、バルコニーに出て中秋の名月に乾杯。

そういえばいつかこんな月の夜に、わたしは一頭のキリンと道行きしたような気がする
けれど…。

              
                        キリンの星

                   
                   キリンがある日やってきて
                   いっしょに歩いていこうといった
                   青いもやの立ちこめる
                   キリンの星のたそがれに

 
                   キリンはかなしい思い出を
                   心の底にかくしてた
                   二人で荒野を行くときは
                   月がランプをともしてた


                   キリンはとてもやさしくて
                   わたしに腕をかしてくれた
                   だれも人の見ていない
                   海辺のベンチで休むとき


                   キリンと旅をすることは
                   とてもたいへんなことだった
                   だけど二人は夢を見ながら
                   おんなじ背丈で歩いてた

 
                   キリンは何も話さなかった
                   わたしは何もたずねなかった
                   けれど二人は愛し合った
                   遠いはるかな星の上で
     
                            (作曲:淡海悟郎、 詞:水野るり子)
                     

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