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ヴィオラ・リサイタル [日々のキルト]

ユーリー・バシュメットのヴィオラ・リサイタルを聴きに県立音楽堂へ行った。木のホールとして音響効果のよさで有名なこのホールが家から近いのはとても有難いことだ。バシュメットの演奏は二回目だが、今日の曲目はバッハの無伴奏チェロ組曲1番、シューベルトのアルペジオーネ・ソナタ(ピアノはミハイル・ムンチャン)、ブラームスの弦楽五重奏曲ロ短調などだった。バッハの最初の音が鳴ったとたん、いきなり胸の奥にまで響いてきてどきどきした。こんな風に胸に直接響く音ってなかなかない…。シューベルトは、そしてもちろんアルペジオーネは私のとても好きな曲だが、今日はバッハの方が印象に残っている。

私の詩集の訳をしてくれているアメリカ人のクランストンさんに好きな音楽をきいたら、自分の好きな音楽をいろいろ挙げてから、シューベルトも好きだといい、そういう自分をロマンチストだと記していた。そういうものなのだろうか。私はシューベルトの旋律に秘められた憂いのある甘さにも惹かれるのだ。そういえば
「あなたはどんな音楽が好きなのか」という質問は、私がときどき親しい人に投げかける問いの一つだ。
そのほかに、あなたは動物が好きですか?とか、どんな本を読むの?とか。あなたの一番お気に入りの時間は?とか。
脱線してしまったが、いい音に出会えた今日という日は、やはりいい一日だったと思う。

ちなみに舞台のバシュメットは黒づくめの簡素な衣装で淡々と演奏した。彼は1953年ウクライナ生まれの人。78年ミュンヘン・コンクールで優勝。その後国際的に活躍の場をひろげ、ベルリン・フィル、ロンドン交響楽団などとも共演し、「疑いもなく、現在、世界でもっとも偉大な音楽家の一人」とロンドンタイムズは評価している。(これはパンフレットにいわく…です)

思うに「偉大な人物」というのは静けさをどこか一点、内部に秘めている人ではないだろうか。
彼の演奏を聴きながら、つい先日読んだばかりの「ペンギンの憂鬱」のことを思った。あの著者アンドレイ・クルコフもウクライナの作家だった。
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