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カラスの河 [詩作品]

                  カラスの河

              
               カラスが空を渡っていく
               こわれた古い歩道橋の上を
               カラスの河は鳴きながら
               たそがれの黒い七つの森をさがしている


               樹がたおれ 家がたおれ
               どこまでも空が焼けている
               でもだれも見るものがいない
               時間だけがのこされて
               大きなフラスコの底におちてゆく


               カラスが空を渡っていく
               こわれた黄色いガスタンクの上を
               カラスの河はうたいながら
               血のようにけむる夕焼けの空に沈んでいく


               樹がたおれ 家がたおれ
               どこまでも空が燃えている
               でもだれも見るものがいない
               時間だけがのこされて
               大きなフラスコの底に溜まってゆく


(これは1978年遠藤トム也さんとコラボレーションのような形で”滅びゆく動物たちに都会の片隅から唄う”というコンサートを新宿でひらいたのですが、そのときに書いた詩です。作曲は南さとし氏。現在パリに住んでいるトム也さんは、その後もこれを大事に唄っているとききます。)    
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木苺

20年以上も前だというのに驚きました。今これがぴったりですもの。少し早すぎたのかしら。今このようなことが行われるべきですね。もちろんいろいろなイベントがあるけれど、何か騒がしく賑やかなばかりで、心にしみてこないような気がするのです。私が古いのかしら。
by 木苺 (2005-09-21 19:14) 

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