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リョコウバトへ [詩作品]


リョコウバトへ

とだえることのない雲のように
大陸を渡りつづけた
あのリョコウバトの群れが
或る日 ふいに消えて…
宇宙はしーんと目を閉じた

「みんな どこへ いったの?」
ただ一羽 取り残された マーサの声が
いま こだまになって戻ってくる
「どこへ いったの みんな?」



この天体が きらきらと夢見た
たくさんの いのちたちが
砂時計の底へと落下していく…

…その音が
たえまなく足もとに響いてくる…
ヒトの住む
青いガラスの虚空




リョコウバト:その渡りによって、3日間も空を覆いつくしたという、北アメリカの
渡りバト。乱獲により、100年ほどであっけなく絶滅した。野生の一羽が最後に
撃たれたのは1907年9月23日。動物園でマーサが死んだのは1914年だった。

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公園のハト

渡りバトは乱獲、公園に住む僕たちは平和のシンボル、なんて身勝手なヒトたちがあふれているこの天体だから、恐いくらい青くガラスのようにもろいのだろう。
by 公園のハト (2005-06-04 20:13) 

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